ボトムアップ型の会社は、実はトップダウンでなければつくれない:EOS入門
社長がすべてを背負う会社から卒業する近道は、ボトムアップ型の組織になることです。ただし逆説的ですが、その実現には「トップダウン」のアプローチが欠かせません。
ミドルの疲弊「管理職は罰ゲーム」
「ボトムアップにしたいから、若手も新人もどんどん言いたいことを言ってくれ」。多くの社長がこう声をかけます。
しかし、この号令は現場に混乱を生みます。噴き出した意見の受け皿になり対応に追われるのは、間に立つミドル、つまり管理職です。「管理職は罰ゲーム」と言われるほど、負荷はすでに限界です。
2026年6月のマイナビ調査では、20~30代の若手管理職の36.3%が「現在バーンアウトである」と回答。2050代の管理職の4割近く(38.0%)が職場で孤独感・孤立感を抱えているといいます。
安易な「ボトムアップ化」が、実際にはミドルを孤独に追い込み、疲弊させてしまうのです。
経営チームを中心に据える
私のクライアントも、以前「若手の声を聴こう」というキャンペーンを始めた際、意見が一斉に噴き出して収拾がつかなくなり、慌てて取り組みをやめた経験があると話してくれました。
ボトムアップは、号令ひとつでは生まれません。「ボトムアップ型組織への移行」そのものを、トップダウンのプロジェクトとして進めることが必要です。
社長一人ではなく、幹部・リーダー層を巻き込んだ少人数の「経営チーム」を中心に据える。意見を言いやすい雰囲気をつくる。失敗を推奨する。役割と責任の線引きを明確にする。
こうした地道な取り組みを経営チームが徹底して初めて、ミドル層が変わります。ミドル層が変わって初めて、現場の社員から本音の、真に有用な意見が上がるようになるのです。
浸透には2年はかかる
上から一階層ずつ、段階的かつ計画的に進めるのがコツで、私たちの経験では浸透までに2年はかかります。
ボトムアップへの転換は任せただけでは実現しません。トップダウンにより本気で仕組みをつくることでしか生まれないのです。私たちが提案する「経営のOS/EOS」も、その仕組みづくりの一つの指針です。



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