成光工業、CNF活用の抗菌剤を開発 建材・家電向けにサンプル出荷
株式会社成光工業

成光工業(川崎市川崎区)は、木材などの植物繊維(セルロース)を微細化した素材「セルロースナノファイバー」(CNF)を活用した抗菌剤による「抗菌ソリューション」事業を始めた。CNFに複数の抗菌成分を固定・分散させることで、抗菌性能の長期安定化とコスト低減を図る。建材や家電、フィルターなどへの用途展開を目指し、サンプル出荷を始めた。
トヨタ自動車との商談が契機
成光工業がCNF事業に乗り出したのは5~6年前、トヨタ自動車との商談がきっかけだったという。当時は提案していたのは炭素繊維だったが、松尾教弘社長は「商談が終わった後に『CNFは触らないのか』と言われました」と振り返る。
これを契機に、植物由来のCNFに着目。同社は原料そのものを製造するのではなく、CNFの用途を開発する立場で事業化を進めてきた。
独自の「ロール乾燥法」を開発
用途開発を進める中で、成光工業は約2年をかけて独自の「ロール乾燥法」を開発し、特許を取得した。

回転する加熱ローラーの間にCNFの水溶液を通し、短時間で水分を蒸発させて粉末化する。同社によると、従来の乾燥方法と比べ、50~100倍の速度で生産できるという。
このCNFを活用した用途の一つとして開発したのが抗菌剤だ。
CNFに複数の抗菌成分を固定
同社によると、銀イオン系抗菌剤はゼオライトや活性炭などの担体に銀を保持するのに対し、今回開発したCNF抗菌剤では、ナノサイズの繊維上に複数の抗菌成分を固定できるという。

松尾社長は「CNFにへばりつくから、いろんなものを複合的に入れられます」と説明する。
現在は5~6種類を配合し、複数の菌やカビへの対応を想定して設計している。
同社では、材料内部にCNF抗菌剤を分散させることで、表面が摩耗した後も抗菌性能を維持しやすくなるとしている。
同社の試験では、20日間で銀イオン系抗菌剤の成分が14%減少したのに対し、CNF抗菌剤では減少が確認されなかったという。
添加量0.2~0.5%、コスト低減も
CNF抗菌剤の添加量は、原材料の総量に対して0.2~0.5%を想定する。
松尾社長は材料コストについて「従来の銀イオンの半値以下になるのは間違いないです。量がまとまればおそらく3分の1ぐらいです」と話す。
成光工業は建材、家電、フィルターなどへの採用を目指してサンプル出荷を開始した。市場の拡大に応じて、製紙会社への技術供与も進める方針だ。
企業情報
- 企業名
- 株式会社成光工業
- HP
- https://www.k-seiko.co.jp/
- 住所
- 川崎市川崎区浅野町6-7




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