HUB CONNe
NEW
#企業支援

前編:中小企業経営者が備えるべき「取適法」の核心を総まとめ


FacebookxLINElinkedin
前編:中小企業経営者が備えるべき「取適法」の核心を総まとめ

物価高騰や人件費の上昇が経営を圧迫する中、取引先との適正な価格交渉をためらい、コストを吸収し続けている中小企業は少なくありません。そうした不公正な取引慣行を是正し、中小企業を守るために、2026年1月1日から「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が改正され、「中小受託取引適正化法」(取適法)として施行されました。

これは単なる名称変更ではなく、サプライチェーン全体で公正な価格転嫁を実現するための、極めて重要な法改正です。

自社が「発注側(委託事業者)」か「受注側(中小受託事業者)」かにかかわらず、すべての経営者がその影響を理解し、早急に対応する必要があります。

受発注双方に求められる法の理解

法律名と用語の変更

対等な関係の明記改正に伴い、法律で使われる用語が、取引関係が対等であることを明確に示すものへと見直されました。

  • 親事業者 → 委託事業者
  • 下請事業者 → 中小受託事業者
  • 下請代金 → 製造委託等代金

最大のポイント:価格協議の義務化

取適法の核心は、価格協議の義務化が明記された点です。

これまでも「買いたたき」は禁止されていましたが、コスト上昇分の価格転嫁が進まない現状に対応するため、以下の行為が明確に法律違反となります。

  • 中小受託事業者から価格の見直しを求められたにもかかわらず、委託事業者が協議に応じないこと(無視や先延ばしも含む)
  • 協議において必要な説明や情報提供を求めたにもかかわらず、これに応じず、一方的に代金を決定すること

これにより、受注側(中小受託事業者)が口頭で価格の見直しを求めた場合でも、発注側(委託事業者)は協議のテーブルに着く義務を負います。発注者が具体的な理由なく値上げを拒否したり、不当に低い価格での取り引きを強要したりすれば、法律違反となります。

また、発注側(委託事業者)は、コスト上昇分の反映について価格交渉の場で明示的に協議することなく、価格を据え置くことも買いたたきとして追及される可能性があります。

この義務化は、中小企業が適正な対価を得るための交渉力を格段に強化するものです。

今すぐ経営者がすべき準備(前編)

  • 受注側(中小受託事業者)適正価格を算出し、ちゅうちょせず価格協議を求めてください。協議の経緯や、相手方の回答は必ず記録に残しましょう。
  • 発注側(委託事業者)受注先からの協議の求めには必ず誠実に応じる体制を整え、協議の記録と価格決定プロセスの透明化を図ってください。

次回では、適用範囲の拡大や支払い方法の厳格化など、実務に大きく関わる改正点を解説します。

髙瀬総合法律事務所代表弁護士・髙瀬芳明)

FacebookxLINElinkedin

こちらの記事も読んでみる


産業動向の最新情報を知るなら

神奈川県の企業に取材した最新情報を
メールで配信!
記者が取材した「最新記事」を
メールでお届けします!

中小企業の協力・
協業マッチング受付中!

記者による圧倒的な取材力を活かした
企業マッチングサービス(会員企業限定)を
ぜひご利用ください。

「企業様の声」

成長には連携が欠かせない時代。HUB-CONNeは、多様な情報を通じて新たな機会を生み、相互に価値を高める連携を実現できるプラットフォームです。

株式会社TNPパートナーズ

代表取締役社長・呉 雅俊氏

HUB-CONNeは新たな出会いを生むプラットフォームだと感じています。地域企業の可能性を広げ、挑戦や共創を後押しする取り組みに期待しています。

株式会社タシロ

代表取締役社長・田城功揮氏

かながわ経済新聞の広いネットワークのメリットを享受でき、当社事業の顧客拡大や関連する技術、補助金情報などの機会を提供頂いています。

南開工業株式会社

代表取締役・中村仁氏

ピッチコンテストや勉強会を通じて他業種とのつながりが生まれ、新たな事業計画や協業へと発展しました。

株式会社シェノン

代表取締役・西條英之氏

かながわ経済新聞を通じて官公庁との関係構築などが実現し、業績とブランディングに大きな成果をもたらしました。

株式会社バイオクロマト

代表取締役・木下一真氏

記事掲載をきっかけに取引先の紹介や新たな出会いが生まれ、地域に根ざした媒体として高い価値を感じています。

株式会社スリーハイ

代表取締役・男澤誠氏

挑戦する企業の情報を手軽に得られるだけでなく、経営者の姿勢から学びや刺激を受けられる貴重な場です。

株式会社ミズキ

代表取締役・水木太一氏