昆虫タンパク質の活用を 台湾のスタートアップが広げる海外販路
蟲小道大股份有限公司

将来的な食糧不足が懸念される中、家畜や養殖向けの飼料の原料や肥料として、昆虫タンパク質が注目されている。昆虫のバイオ技術開発を手がける台湾のスタートアップ、蟲小道大(wormax)は、農業や食品加工から生じる廃棄物を活用して昆虫を養殖している。生産体制はモジュール化し、AIを活用した監視システムの導入で生産性も向上。台湾からASEAN市場へ販路を広げており、日本進出も目指す。
AIで監視システム、生産性向上
養殖しているのは、ハエの一種のアメリカミズアブ。幼虫は乾燥重量の50%がタンパク質と栄養価が高く、次世代のタンパク質として注目されている。

許承軒代表の出身校である国立雲林科技大学の研究室での修士論文をきっかけに、2019年に創業した。「ワインの搾りかすを昆虫に食べさせて循環させる研究から着想を得ました」。台湾中部の雲林県に本社と生産拠点を構える。100万件以上の養殖データベースを持ち、飼料生産量は3000トンを超える。

製品は現在、養鶏や養豚、水産養殖の飼料の原料として、台湾の大手飼料メーカーなどへ供給している。当初は観賞魚の餌としての用途が主力だったが、「近年は海洋資源の減少で魚粉の価格が急騰し、代替タンパク質への需要が急増しています」(許氏)。

海外市場に対しては、製品の輸出に加えて、技術移転を伴うパッケージ輸出(技術移転)にも注力。マレーシアでは現地の飼料会社と合弁会社を設立し、技術指導と遠隔監視を移転。カンボジアでは、ホテルなどから出る食品廃棄物の処理と肥料の自給を目指したモジュールを整える計画だ。

日本についても「地価が高く養殖の用地が限られる点で台湾と共通しており、モジュール型養殖は有効。AI監視による臭気対策や衛生管理の技術は、環境意識の高い日本市場に適しています」とみて、パートナーを探す。
(オンライン取材)
※台湾工業技術研究院(ITRI)との共同企画
企業情報
- 企業名
- 蟲小道大股份有限公司
- HP
- https://www.wormaxinc.com/
- 住所
- 彰化縣二水郷文化村民族路88號1樓






