外国人労働者を考える(上)小規模企業ほど欠かせない戦力に

「日本人ファースト」という言葉が外国人排斥につながるという議論がある。実際にクルド人や中国人、ベトナム人の集団が日本のルールを守らず、迷惑をかける例などが報告されると、空恐ろしいと感じるのは仕方がないことだろう。
しかし、真面目に働き、祖国から遠く離れた日本で疎外感に悩む外国人労働者もいる。日本はそんなに狭量な社会なのかとも自問する。
親の教育もあるのだろうか、日本人の若者が忌避する中小企業。実際に職を求め、日本に存在する外国人。それなら外国人を雇おうじゃないか、と考える中小企業の経営者が増えてもおかしくない。
ただ、不良外国人の増加と、排斥論が、大事な労働力の確保を急ぐ中小企業を別次元の議論に巻き込んでいく。
神奈川労働局が発表した県内の外国人労働者数(2025年10月末時点、特別永住者および在留資格「外交」「公用」を除く)は、前年比11.0%増の14万8888人となり、2007年に届け出が義務化されて以降、過去最高を更新した。外国人労働者を雇用する事業所数も2万4200カ所(同8.1%増)で、こちらも過去最高だった。
「彼らがいなければ事業は不可能」
選挙のたびに争点となる外国人問題だが、中小企業にとっては人手不足が深刻化する中、外国人労働者への依存度が年々高まっている。
産業別では「製造業」21.3%と最多。一方、外国人を雇用する事業所を従業員規模別にみると、「30人未満」の小規模事業所が過半数を占めた。「100~499人」は8.9%、「500人以上」は3.5%にとどまり、企業規模が小さいほど外国人労働者への依存度が高い実態が浮かび上がった。
十数年前と比べると、神奈川県内の中小企業の景色は明らかに変わった。製造ラインに立つ技能実習生があふれ、飲食店のホールを切り盛りするアジア人スタッフ、ITベンチャーで活躍するインド人エンジニア。外国人労働者はもはや「補助的存在」ではなく、事業継続の要となっている。
取材先の金属加工業の多くが「外国人材はもはや欠かせない存在です」と口をそろえる。ある経営者は「うちは従業員のほとんどが外国人です。彼らがいなければ、今の受注量をこなすことは物理的に不可能です」。外国人なくしては立ち行かない中小加工業が少なくないというのが実感だ。
外国人の受け入れに否定的で「むしろ約100万人いると言われているニートの社会参加を促すべきだ」と主張する社会評論家もいる。
が、彼らが即戦力で動くと思っているのか? 中小企業には教育にかける時間もないのだ。現場知らずの空論だ。だからこそ真面目に働く外国人労働者が重宝される、ということを知らない。
=次号に続く
(総合情報誌「ニューリーダー」で連載中)







