ばね一筋半世紀、親子が守る職人魂 高品質に評価、海外にも輸出
日生発條株式会社

親子二代にわたり、圧倒的な品質を誇る「精密ばね」の技術を守り続けている企業がある。日生発條は、ばね一筋に半世紀以上取り組んできた現役職人、武山義正社長が率いる町工場。従業員11人の体制ながら、年間で9000種類にも及ぶばねを生産する。創業以来、品質に対して愚直なまでにこだわりを貫いてきた姿勢が、今では「高品質なメード・イン・ジャパン」として世界に認知され、インドやタイなどの海外企業も採用。横浜から精密ばねを輸出している。
「品質は無言の信用と財産」
工場内に足を踏み入れると、約50台のばね製造機が所狭しと並ぶ。圧縮ばねや引張ばね、ねじりばね、電池ばね、板ばね...。あらゆる種類のばねを量産している。
主な取引先はスマートフォンやデジタルカメラといった電子機器関連企業で、現在では60社を超える安定した取引基盤を築く。線径0.08ミリメートルという肉眼では形状の判別も難しい超精密ばねから、同4ミリメートルの大型ばねまでを手掛ける対応力も強みだ。

「必要なのは機械や技術だけではありません。精密なばねづくりには、職人の経験と勘が不可欠です」と、武山社長は明かす。
とりわけ重視するのは「品質」だ。武山社長は「当社のばねは1000万回持ちます」と自信をのぞかせる。
工場内には、「品質は無言の信用と財産」と書かれた張り紙が、数多く掲げられている。さらに「品質は気くばり思いやり」「品質は受注のバロメーター」「品質はもう一度確認チェック」といった言葉も添えられている。

1972年7月の創業以来、武山社長が職人として、経営者として培ってきた“哲学”が凝縮された言葉でもある。その哲学は現在、息子の勝義専務にも脈々と受け継がれている。
現場では1個のばねを製造する過程においても中間チェックを10〜20回実施するなど、品質管理に妥協を許さない。また「完全な日本製」に強いこだわりを持ち、使用する材料はすべて国内生産品に限定している。
「材料からこだわってこそ、本当のメード・イン・ジャパンです」と勝義専務は語る。現在、海外では技術的に製造が困難とされるばねも注文が入るようになっている。
(かながわ経済新聞2025年5月掲載)
企業情報
- 企業名
- 日生発條株式会社
- HP
- https://www.nissei-hatsujo.co.jp/
- 住所
- 横浜市都筑区大熊町65-6







