障がい者の就労支援に3Dプリンターを活用 エンパワー・ラボ、作業療法士の知見を事業に
株式会社エンパワー・ラボ

エンパワー・ラボ(川崎市川崎区)は、障がい者の就労支援施設「エンパワークファクトリー」で、3Dプリンターを活用したユニークな就労支援に取り組んでいる。利用者が3DプリンターやCAD、3Dモデリングなどのスキルを身につけ、クリエイティブな作業にやりがいを感じてもらいながら製作する。ノベルティグッズの受託生産も開始。中小製造業向けに工業製品の試作部品を製作する準備も進めている。
CADや3Dモデリングの習得を支援
エンパワー・ラボは、作業療法士の上原亮介社長が「リハビリは体の機能回復だけでなく、本質的に社会参加を目指すもの」と考え、2023年11月に資本金200万円で設立した。
就労支援事業B型の事業所認定を川崎市から受け、2025年3月に「エンパワークファクトリー」を開設した。
上原社長は「ICTリハビリテーション研究会」の理事でもある。障がい者や高齢者の身体機能を補う「自助具」を製作する活動にも取り組んでいる。そこで培った3Dプリンターの知見を生かし、就労支援事業を始めた。
利用者の訓練内容は、それぞれの適性に合わせて設定する。
「何を作るか」というアイデアを考えることから始まり、既存のデータを使ったグッズの出力や、成形した部品から不要な部分を切り取る作業などを通じて、3Dプリンターの使い方を学ぶ。

さらに興味を持った利用者は、作品の形状を自分でCADで設計したり、3次元形状にモデリングしたりする技術を、自発的に学ぶようになるという。
色付けや、複数の部品を成形して組み立てる作業など、習熟度に応じて難易度も高めていく。
利用者は現在、10~60代の9人。
製作している商品は、スマートフォンスタンドやプルタブオープナーなどの定番品に加え、近くの川崎大師にちなんだダルマ型のランタンなど。1個400~700円程度で販売している。
ノベルティグッズ受託、中量産にも対応
エンパワークファクトリーでは、3Dプリンターを使ったノベルティグッズの受託生産も始めた。

近隣の学校からは、イベント用としてキャラクター入りのプルトップオープナーを受注した。
簡単なノベルティグッズであれば、1個80円で2000個といった低料金での中量産にも対応できるという。
金型を必要としない3Dプリンターの特徴に加え、作業時間の効率を問われない就労支援施設の特性を生かす。
利用者にとっての訓練や就労機会を、企業や学校などから受注する実際の製品づくりにつなげている。
中小製造業向けに試作部品の出力代行も
今後は、ノベルティグッズだけでなく、中小製造業向けのサービスにも広げる。
工業製品の試作部品について、3Dプリンターによる出力代行や一部設計などのサービスを拡充する考えで、すでに引き合いもあるという。
上原社長は「安心して働ける環境に配慮しながら、3Dグラフィックスのデザインなど利用者のスキルを生かしていきたいです」と話している。
企業情報
- 企業名
- 株式会社エンパワー・ラボ
- HP
- https://www.enpoworkfactory.com/
- 住所
- 川崎市川崎区川中島1-11-10








