薬の案内や受診通訳‥在日ベトナム人を支援 医療プラットフォーム、ワップが無料提供
株式会社ワップ

約65万人超とされる在日ベトナム人のため、ワップ(東京都新宿区)は医療支援プラットフォーム「HICO(ヒコ)」を開発し、無料提供を始めた。ベトナム語で症状を入力するだけで市販薬を案内するほか、近隣の医療機関の検索や受診時のリアルタイムAI通訳にも対応する。日本語が理解できないことが理由で、病気になっても受診を諦めるベトナム人労働者が少なくないことから開発した。今後はベトナム語以外の多言語化も進める。外国人労働者を受け入れている中小企業や地方自治体への導入を進め、まず年間登録者数3万人を目指す。
年間登録3万人目標
HICOは、ベトナム・ハノイ工科大学のAI研究者とワップの共同開発。リリースから約1カ月ですでに3500人が新規登録した。スマートフォンとパソコンのいずれにも対応する。
ベトナム語で症状を入力すると、国内の市販薬約1000種を効果・効能の説明付きで案内し、オンラインでの購入へ誘導する。薬のパッケージを撮影するだけで市販薬・処方薬の情報をベトナム語で確認できる薬剤識別機能も備える。

症状に応じて近隣の医療機関を地図表示するほか、あらゆる医療機関で使用できる問診票も作成できる。ベトナム語で入力した問診内容から日本語のPDFを自動生成し、受診時のリアルタイムAI通訳も活用可能だ。「外国人患者への医療対応は日本人の2~3倍の時間がかかると言われています。HICOは、医療従事者側のストレスも軽減します」と安藤弘幸社長は話す。
多言語化も視野に
在日ベトナム人は育成就労制度と特定技能制度への移行で今後も増加が見込まれるが、医療面の課題は深刻だ。「6年間日本にいても、日本語を話せない実習生もいます。病気になっても病院の仕組みがわからず、どこに行けばいいかわからない人も少なくありません」と上杉ひろみCOOは指摘する。
同社によると、受診時の通訳費用は1回1万~1万5000円と高く、管理団体に相談しにくい婦人科などの疾患を抱えたまま放置するケースも多いという。そうしたニーズに応えるために、HICOの活用を広く呼びかけていく。
HICOの利用は無料だが、今後は有料コンテンツの展開も視野に入れる。ベトナム語に加えて英語や中国語への対応も計画しており、外国人のための総合プラットフォームを目指す。
企業情報
- 企業名
- 株式会社ワップ
- HP
- https://www.wap-inc.com/
- 住所
- 東京都新宿区新宿2丁目3-12 光和ビル7階







