イシイ精機、同業者向けにジグ研削機の修理・メンテナンス 「業界の復活を」
株式会社イシイ精機

ジグ研削専門のイシイ精機(横浜市都筑区)が、同業者向けに「ジグ研削機」の修理・出張メンテナンス事業を始めた。世界最高級の精度が出るとされる米ムーア社のジグ研削機を対象に、壊れた部品の修理や機械の出張メンテナンスを請け負う。使い方に悩む企業には、技術指導や人材育成などのノウハウも伝えていく。
「当社には長年のノウハウが蓄積されています。業界を盛り上げ、レベルアップや市場拡大につながることを積極的にやっていきます」と堺裕之社長は話す。
ジグ研削専門で約50年、20台近いムーア社製研削機
ジグ研削は、「ジグ研削盤」と呼ばれる専用機で、ダイヤモンドなどでできた砥石を超高速回転させ、対象物を1000分の1ミリメートル単位で磨くように削る、ニッチな加工技術だ。
イシイ精機はジグ研削加工専門で約50年。新潟と横浜の2拠点を擁し、社員14人ながら、20台近いムーア社のジグ研削機を保有している。

今回始めた修理・出張メンテナンス事業では、保有する修理履歴データや、過去にメンテナンス職人たちから吸収したノウハウを活用する。
修理で機械停止、同業者の廃業も
ジグ研削盤の「研削ヘッド」と呼ばれる部品は、対象物と機械が接する一番先端にあるため、故障も多い。壊れたり、経年劣化によりベアリングが不安定になったりするため、修理やメンテナンスが必要になることが多々あるという。
しかし、その際は機械の製造元である米国に送るしか方法がない。メンテナンスも、首都圏であれば請け負えるところが1カ所しかない。その間、機械は止まり、生産計画にも影響する。
このところの円安やエネルギーコスト高騰も追い打ちをかけ、修理を諦め、廃業を決断する会社も出ているという。
「ならば、当社でどうにかできないか」と堺社長は考えた。

競争から「共創」へ、技術や人材育成のノウハウも
廃業する同業他社が増える中、堺社長は業界全体を盛り上げなければ未来はないと考え、共存共栄を目的とした「ジグ研削のエコシステム構築プロジェクト」を立ち上げた。今回の新事業もその一環だ。
以前の業界は、ライバル同士という認識が強く、どの企業もノウハウを必死で隠し守ってきた。しかし、もはやそういった時代ではなく、“オールジャパン”として海外企業と競争するステージに入った。
そのため、かつての競争から「共創」につなげるため、イシイ精機が蓄積してきたノウハウも伝えていく。
「ジグ研削が不可欠な市場は、まだまだあります。このプロジェクトを通じて、より多くの同業他社とつながり、業界内での技術伝承や人材教育も積極的にやっていきたいです。昨日の敵は今日の友ですから」と堺社長は語っている。
企業情報
- 企業名
- 株式会社イシイ精機
- HP
- https://jg-ishii.co.jp/site/index.html
- 住所
- 横浜市都筑区川向町922-42







