知らなかったでは済まされない!中小企業経営者が備えるべき「中小受託取引適正化法」
中小受託取引適正化法の目玉の一つである「価格協議の義務化」について解説します。
下請法では、親事業者による下請け代金の減額や買いたたきを禁止しているものの、いまだコスト上昇の価格転嫁問題に十分対応しきれていないため、法改正により、新たに委託事業者による一方的な代金決定が禁止されることになりました。
具体的には、製造委託など代金の額に関する協議を求めたにもかかわらず、委託事業者が協議に応じず、または協議において必要な説明もしくは情報の提供を求めたにもかかわらずこれに応じず、一方的に製造委託など代金の額を決定することが、新たな禁止事項に追加されました。
ここでいう「協議を求めた」には、「価格について相談したい」と口頭で伝えることも含まれます。また「求めたにもかかわらず協議に応じず」とは、明らかに拒むことのほか、無視や先延ばしを繰り返すことも含まれます。
なお、委託事業者の側からあえて価格協議の場を設けることまでは必要ないというわけではなく、特に「コストの上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格の交渉の場において明示的に協議することなく、従来どおりに取引価格を据え置くこと」といった、「買いたたき」の局面では、発注者の側から価格転嫁について協議の場を設けることが求められています。そのため、受託業者としては積極的に協議の場を設けない場合も追及していくべきといえます。
これまでも買いたたきについては法解釈や指針で実質的には禁止、違反行為とされてきましたが、今回の改正により明文化されたことで、買いたたきなどに対する違反行為への執行がさらに厳しくなる可能性があります。
(髙瀬総合法律事務所代表弁護士・髙瀨芳明)






